軽速歩


 そうなんです。軽速歩なんですね〜! たいていの人はしばらく歩いた後で最初に習うやつですね。
イッチニ、イッチニで立ったり座ったりするやつです。 ウチの乗馬クラブも場所がら初心者が非常
に多いのですけど、15〜20分くらい歩いた後で軽速歩のレッスンをするとたいていの人は出来る
ようになります。ただし、出来るようになると言ってもそれはそれ、所詮は初心者なのですから未熟
なのはいたし方ありません。 馬にとってはいい迷惑かもしれませんが、彼らは寛大な心の持ち主で、
技術の未熟さを広〜い心で受け入れてくれます! 
 しかし、一度軽速歩のタイミングを感じ、左右の手前なんか分ったらその後自分の軽速歩の乗り方
そのものに注意を払おうとする人はなかなか少ないような気がします。
 軽速歩が上手くできるかそうでないかは馬の動きそのものにも大きく関わって来ます。 日々の練
習で、一般的には常歩運動が終わると軽速歩をするわけですが、これにも目的があることを理解し
てください。 軽速歩をバランス良く上手にするという事は、馬の背中の筋肉をほぐし弛めゆったりと
した動きを促す為に大変重要な運動であり、その為の技術である事をもう一度再認識する必要もあ
るかもしれません!

◆軽速歩の手前について
 
そんなもん、もうとっくに分ってるからいらな〜い! なんておっしゃらずに・・・
 軽速歩も慣れてくれば1〜2歩、多くたって3〜4歩以内には手前を合わせることが出来ていると思
います。 もしもそれが出来ていない人は、軽速歩を始めるたびに”呪文“のごとく”手前〜・手前〜“と
気にしてください! そうすればそのうちに無意識で1〜2歩で合わせる習慣が身に付きます。
 それでは何故手前を合わせなければいけないのか? 
 軽速歩では進行方向に対して外側の肩、つまり左回りなら右肩、右回りなら左肩の動きに合わせて
立ったり座ったりするのですが、もしも手前が違ってる場合に違和感を感じるのは特に隅角を通過す
るときのはずです。 速歩はご存知のとうり馬の斜対肢(対角線上の肢)が交互に動く2拍子の運動な
ので、外側の前肢に合わせるという事は、つまり内側の後肢の動きに合わせてるという事になります。
そうなんですね! 手前を合わせるという事は、馬の肩の動きを見て合わせていますが、実はその目
的は、
馬の内側の後肢の動きに合わせることにある訳です! それは馬が曲がるときに、乗馬してい
る人間の体重をバランス良くしっかり支える為には内側の後肢で支えたいからなのです。 
 も〜しかして、なんで手前を合わせなければならないのか知らなかった人が居たら、そういう訳で、
馬のことを考えてしっかりと手前を合わせるように!! んじゃ、例えば長〜い直線をひたすら速歩し
たいときにはどうするかって?? そりゃ、たまに手前を変えて一方の斜対肢だけが疲れるのを防が
なければ馬が可愛そうです!!

◆軽速歩をしていてすぐに疲れちゃう人について
 ・両足の硬直!
  
一般的に人の足は左足が軸足・右足が利き足の人が多いようです。例えばサッカーのボールを蹴
るとすると左足で踏み込んで軸足にして利き足の右足で蹴るってことになる訳です。そういう事もあって
軽速歩で立ったり座ったりする時に、左足に体重をかけて右足を突っ張ってしまう人が多いようです。
ですから結果として、左手前(左回り)の時は楽に乗れるのに右手前のときにはぎこちなくなるという事
が起こってくるのです。 次に、”立たなければ”という意識が強すぎるあまり、立つ時も座った時も足の
緊張が解放されない場合があります。 これでは軽やかであるべき軽速歩だって疲れちゃって疲れ
ちゃって・・・馬だって背中の緊張をほぐすどころか余計に硬くなっちゃってそのうちに前へ出なくなって
しまいます。 

 ・練習方法! 
  ・まずは馬に乗る前に!
  一段高くなってるところ(約10cm)に鐙を踏むところで立ってみます。足の裏はあくまでも地面と平
行にします。 すると踵は中に浮いている状態になります。 次に、今度は踵を上げたり下げたりして
バランスをとる練習をしてみてください。
  ・馬に跨ります!
  馬が静止している状態で同じように真っ直ぐ立ちあがってみます。最初は足の裏はあくまでも地面
と平行に! ふくらはぎの内側全体が馬体と接している様に心がけてください。その状態で先ほどの
様に踵を上げたり下げたりしてバランスをとってみます。 足首を自由に動かせるようになったらいよ
いよ常歩に移ります。 初めはなかなかバランスが取れないので馬のたてがみを手綱と一緒に持って
もかまいませんが出来るだけ真っ直ぐに立つようにします。 徐々に慣れてきたら手綱だけで乗れる
様に頑張ってみましょう! もちろん手綱や膝で体を支えてはいけません!! これが少しでも出来る
ようになれば軽速歩のバランスは見違える様に改善されると思います。 

 ・姿勢について
 軽速歩をはじめてまだそれほど間が無いうちは多少の軽減姿勢(多少の前傾姿勢)はやむおえない
し、むしろその方が乗っている人間が楽であったり、馬にとっての背中に悪影響が少ないかもしれませ
ん。 しかし、基本的に軽速歩は真っ直ぐに立ちあがらなければなりません。 上の練習方法が上手く
出来て、立ちあがるときに足首の力を若干抜く事が出来るようになれば姿勢は自然と良くなるはずです。
そうすればあの”体重は鐙ではなくて踵に落とせ!“と言う抽象的で何がなんだかよく分らない表現も
多少は理解できるのでは無いかな??

 ・肩、肘、そして拳について
 
上体のバランスを保つ為に腕全体・拳を使う事があってはいけません! まして肘が伸びきるほど手
綱を短く持つなどという事は百害あって一利もありません。 馬の首はその状況や運動によって様々な
動きをします。それにも関わらず手綱の一定な緊張を保つ為には腕全体がじつに柔軟なバネのような
働きをする必要があります。 もしも腕全体が硬直し、又は肘が伸びきっている状況では、全ての動き
が上体にまで及んでしまいます。 従って肘は常に柔らかく曲がった状態で身体の側面に来る事が要
求されるのであります! 例えば馬がブルブルって鼻を鳴らしただけで身体ごと引っ張られて上体が前
につんのめってる様じゃお話しにはなりません・・・のでした! ウチでは肘の事は実にうるさく言いまっ
せ!!

 ・脚の操作について
  
軽速歩で脚を使うのはやはり座ったときに使うわけですが、脚を使おうとするあまり膝から下が前後
にバタバタと、おまけにボカボカと馬のお腹を蹴飛ばす様に乗ってる人がじつに多いのが気になります。
それも、けっこう鞍数をこなしている人においてもです! 今まで書いてきたことをご理解して頂けると、
そんなにボカボカしなくても充分に脚による推進は出来るはずです。 要は、ふくらはぎの内側全体が
馬のお腹と接触している時間を出来るだけ長くする事から始めれば、立ったときにも座ったときにも脚
は定位置からほとんど動く事は無くなり、座った瞬間の騎座は常歩をしている時と同じ状態になるはず
です。 その感覚を会得できれば、後は常歩の時と、お・な・じ!!

 

※さてさて、以上ご理解頂けたでしょうか?? ん〜、まだ良く分らないけど頑張ってみようと思う人は
  とりあえず頑張ってみてください。 それでも上手に出来ない人は・・・ウチに来るしかないかな〜?
  だいたい、ウチでは1鞍45分5000円で指導料だって取ってないんだから!!